新規事業アイデア創出
東南アジアにおける、
日系企業の挑戦
Context
2015年にインドネシアでショッピングモール事業をスタートさせた日系大手企業。インドネシアでは日本食やマンガなどの日本カルチャーが人気であることから、日本の商品を取り扱うモールとして一定のポジションを獲得していた。しかし、インドネシアには2020年時点で649ものショッピングモールが存在しており、差別化や集客の難易度は高く、モール事業改革と平行して新規事業の立ち上げが急務となっていた。また、インドネシアにおいてあるべき姿や提供すべき価値といった本質的な部分が、コロナなど不確実な状況下が続いたことで不明瞭になっていたため、既存のモール事業に新規事業の新しい要素が加わる前に再定義が必要と考え、支援を行った。
Our Approach
各モールを掌握するGMへのインタビューと、既存ユーザー及び商圏に住むポテンシャルユーザーの調査を実施し、企業として提供すべきことと顧客が求めているものをクリアにした。その後、現地メンバーを交えたワークショップを通して、日本の良さ・自分たちらしさ・顧客や地域社会に対する存在意義などについてディスカッションと新規事業のアイディエーションを行った。
共通認識は、日々の業務や判断の拠り所となるようMVVとして言語化・視覚化。ワークショップで出た345個のアイデアの中から、過半数以上の参加者の支持を得たものに絞り込み、さらにそこからMVVに合致するものを選定。受容性調査後、受容度の高いアイデアをロードマップに落とし込んだ。
2,313
名
定量調査 回答数
289
個
アイデア総数
今回の調査で見出した課題や
アイデアをもとに、
日本とインドネシアのいい部分を
組み合わせ
ながら、新しい事業を
創り上げていきたいと
思っています。
アイデアをもとに、
日本とインドネシアのいい部分を
組み合わせ
ながら、新しい事業を
創り上げていきたいと
思っています。
新規事業責任者:社名非公開
Process
01
インタビュー・
リサーチ
リサーチ
02
ワークショップ・
アイディエーション
アイディエーション
03
MVV・受容性調査
04
ロードマップ
インタビュー・リサーチ
President Directorをはじめ、新規事業、既存事業、建設、不動産開発、管理部、経理財務部などのSenior General Managerクラス計23名にエグゼクティブインタビューを行った。一定の規模であるため、入社年次や管轄ごとに大切にしていることや提供価値、強み・弱みなどの認識にギャップがあることは想定していたが、加えて、日本人とインドネシア人の間にもそれらがあることがわかった。事業運営において、メンバーが同じ価値観をもって事に従事することが重要であるため、次のプロセスでギャップを埋めるフォローアップができるような施策を入れることにした。
インタビューと平行して、商圏内に住む人々を対象に定量調査を実施。彼らの生活実態や、日本の食や文化に対する認知度とそれぞれに対してどのように思っているかを調査した。日本食や日本の文化が広く、一部においてはとても深く認知されている一方で、インドネシアでは”本物”を手に入れることが難しかったり体験できなかったりすることへの不満の声が多くあった。そのような背景から、日本の食材や商品を取り扱う唯一のモールとしてインドネシアで受け入れられており、高い期待を持たれていることがわかった。
インタビューと平行して、商圏内に住む人々を対象に定量調査を実施。彼らの生活実態や、日本の食や文化に対する認知度とそれぞれに対してどのように思っているかを調査した。日本食や日本の文化が広く、一部においてはとても深く認知されている一方で、インドネシアでは”本物”を手に入れることが難しかったり体験できなかったりすることへの不満の声が多くあった。そのような背景から、日本の食材や商品を取り扱う唯一のモールとしてインドネシアで受け入れられており、高い期待を持たれていることがわかった。
我々がモールのビジネスで
やろうとしてることが、
ローカルにうまく
伝わらない。それ
が誤解を
招いてしまうことがある。
やろうとしてることが、
ローカルにうまく
伝わらない。それ
が誤解を
招いてしまうことがある。
from executive interview:General Manager
日本の文化を
体験してみたい。
体験してみたい。
ジャカルタ郊外 BSDCity在住:20代女性
他のスーパーでは
売っていない
日本の野菜や
調味料を買っている。
売っていない
日本の野菜や
調味料を買っている。
ジャカルタ在住:30代男性
ワークショップ・アイディエーション
日本人&インドネシア人合わせて41名でワークショップを実施。まずはじめに、エグゼクティブインタビューの結果、バックグラウンド、入社年次、管轄などによりメンバー間にギャップがあることをシェア。改めて、日本の良さ・日本のブランド、お客さまや地域社会へ提供する価値、会社がやるべきことを一緒に検討した。日本についての認識のギャップは然程なかったが、自社のあるべき姿に関してはそもそも意見がなかったり、提供範囲の広さや理解の深さにおいてギャップがあり、ディスカッションを通じて理解を深めていった。
その後、定量調査結果によって導き出されたペルソナに対し、CJMを作成し、ペルソナを理解。その後アイディエーションを行ったが、インドネシア人の明るくポジティブな国民性により、これまで開催したWSの中で一番の盛り上がりをみせた。
その後、定量調査結果によって導き出されたペルソナに対し、CJMを作成し、ペルソナを理解。その後アイディエーションを行ったが、インドネシア人の明るくポジティブな国民性により、これまで開催したWSの中で一番の盛り上がりをみせた。
MVV・受容性調査
WSを通して見えてきた自分たちのあるべき姿。すべての意見を読み込み・昇華し、Mission・Vision・Valueとして再構築。パーパスやブランドステートメントなど、会社として目指すべき方向性や価値観などをまとめる方法はいくつかあるが、日々の行動で何を大事にすべきなのかが明確になっていることが重要であるため、MVVを採用し、オフィスに掲示するポスタービジュアルも制作した。
WSで出した345個のアイデアを、62個に精査。日本に興味関心のある5つのペルソナに対して、受容性調査を実施した。インドネシア含め、どの国にもない新しい日本のサービスに、好意的な意見を持つ人は多く、受容度100%のアイデアの数は、50個に及んだ。
WSで出した345個のアイデアを、62個に精査。日本に興味関心のある5つのペルソナに対して、受容性調査を実施した。インドネシア含め、どの国にもない新しい日本のサービスに、好意的な意見を持つ人は多く、受容度100%のアイデアの数は、50個に及んだ。
0
/62
受容度80%以上の
アイデアの数
アイデアの数
このサービスがリリース
されたら
絶対使う。
されたら
絶対使う。
ジャカルタ在住:20代男性
インドネシアで本物の
日本料理は
食べられないので、
このサービスは
本当に実現してほしい。
日本料理は
食べられないので、
このサービスは
本当に実現してほしい。
ジャカルタ在住:40代男性
ロードマップ
技術的実現性とビジネスの拡張性・優位性、ユーザー受容度の3つの観点でアイデアを分析し、そこからアライアンスやサードパーティとの協業が必要なものを除外して、3ヶ年のサービスロードマップに落とし込んだ。アイデアの中で開発が必要なものは機能までブレイクダウンし、サービスと機能、提供価値をサービスロードマップにプロットし、全体ロードマップを完成させた。
Client
Undisclosed
Credit
- SERVICE DESIGN CONSULTANT
- Takehiro SUENARI
- ART DIRECTION
- Tomoki TOI
- UX DESIGN
- Michiyo YAMANE, Tomohiro SUGA
- ASSISTANT
- Miki IGEHARA, Hitomi NAKANO
Partner
- PROJECT MANAGEMENT
- NTT DATA Indonesia