日本社会の将来像における一つの理想像である「Society5.0構想」に対し、地域社会は社会共通の課題に加え地方毎の固有課題も抱えており、その解決には複合的な企業・団体の連携が不可欠となっている。地域金融機関がその特徴ともいうべき社会的な信頼性を最大活用し、地域事業者や地公体とともに地域社会の課題（人口、働き手、経済やサービスなど）を解決していくためには新たな枠組みが求められた。また、課題の明確化と共通認識を作り、ともに解決の糸口を見出していくためには、各地で賛同する企業や団体を見つけ出し、相互の接点形成の検討から着手する必要があった。

フォーデジットは、これまで防災や地方銀行のプロジェクトにおいて日本の様々な地域へ調査やサービスデザインで関わってきた実績がある。またMOM FoR STARやiDIDといった自社の取り組みでは、関係当事者として沖縄県や国内の様々な地域に暮らす人々やクリエイティブに関わる人々との関わりを通して地域課題と向き合ってきたため、デザインとナレッジの両面から取り組みを支援していくこととなった。

賛同、参画してくれる可能性がある企業や団体はどういう人なのか、その人達に取り組みをどのように感じてもらうべきなのか。またそのために必要なマテリアルの導出と制作から着手。現地でのイベントや登壇を行うことで接点を増やし、それぞれの地域や企業が抱える課題の共有を通して地域毎のリレーションを構築。トライ・アンド・エラーを重ねながら地域ごとに下地作り、座組やテーマを整えていった。